アップサイクルが生み出す新しい価値
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published : 2022/6/10
環境問題・サステナブルな活動の一つとして注目されているアップサイクルについてご紹介します。アップサイクルによって生まれる新しい価値に注目が集まっています。
アップサイクルが生み出す新しい価値
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こんにちは、work and placeです。今回は話題のアップサイクルについてご紹介したいと思います。
アップサイクル、正式にはアップサイクリングとは創造的再利用の事です。廃棄物や不要な製品、副産物等をより良い品質の新しい材料や製品にアップグレードさせていくというサステナブルな取り組みです。廃棄物や不要品に、デザインとアイデアによって付加価値を与えていきます。
古くから知られているリサイクルという考え方がありますが、元々の商品よりも価値を低下させた形で生まれ変わらせる事が主流でした。アップサイクルの逆で、ダウンサイクルと言います。例えば着なくなった衣料品を雑巾として活用するといった事です。最終的には廃棄される事が多く、真の意味でのサステナブルとは言えませんでした。
アップサイクルは新しい物に生まれ変わらせる事によって、新たな付加価値を与えます。また新たな資源を必要としない点も重要と言えます。ゴミを増やさないだけではなく、地球資源や環境への負荷を最小限に抑える事ができるのも大きなメリットですね。
近年のエシカルブームを意識して、アップサイクルを取り入れている企業も多いです。特にファッション業界においては、ファストファッションをはじめとする大量消費や大量廃棄が社会問題にもなっています。発展途上国の環境破壊にも繋がっているとされ、企業としての改善が必要とされています。日本国内だけでも年間約15億着の洋服が新品のまま、誰も袖を通す事の無いままで廃棄処分されている現実があります。古着に関してはフリマアプリ等を利用した個人間取引が多く行われているものの、大半の衣料品は廃棄に回っています。
そんな中、アップサイクルによって本来廃棄されるはずの衣料品に新しい付加価値を与える事はブランドイメージにとってもプラスに働くと言えます。日本特有の「勿体ない」という考え方だけでは解決できない程に問題が大きくなっていますが、「環境に優しいのは当然として、更におしゃれである。」というよりポジティブな生産・消費活動になれば素晴らしいですね。
残念ながら個人の意識だけでの大きな改革は難しいですが、大手ブランドもアップサイクルの活動を加速させています。例えばBEAMS COUTURE(ビームスクチュール)では倉庫の休眠在庫の衣料品を利用し、何と手作業によってアップサイクルさせています。デザインによっては、売り切れも続出する程の人気なんだとか。また、ファッションの街・原宿には企業と個人が共同で創造できるNEWMAKE Labo(ニューメイク ラボ)が生まれています。こちらは企業の余剰在庫を新しい作品としてアップサイクルできるラボなんだそうです。
ファッション業界に関しては、そもそもの大量生産という根本的な問題の解決も急がれてはいますが、それでも既にある余剰在庫を廃棄では無くアップサイクルという形で活用する事には光が見えるような気がします。
ファッションやインテリアにおいて盛んなイメージのあるアップサイクルですが、ここで新しい分野のアップサイクルの事例をご紹介したいと思います。
老舗百貨店の松屋銀座が、使いかけの口紅やアイシャドゥ・チークやアイブロウといった化粧品(一部除外アイテム有)をメーカーを問わずに回収するプロジェクトを始めました。長らく続いているマスク生活によって使用頻度が減ったり、しまいこんでいて劣化が気になるアイテムに着目した形です。回収した化粧品はクレヨンにアップサイクルするんだそうです。
役目を終えたカラーコスメをただ廃棄するのではなく、色の多様性や美しさを活かす画材にしていくというのはとても夢がある話だと思います。そこから生まれるアートにも期待したいです。
単に環境問題への意識というだけではなく、企業として化粧品の買い替えを促進する事も狙いとなっています。販売する側が、とにかく沢山売って売った後は知らんぷりなのではなく、その後も見据えた取り組みをしていくのは今後の企業の在り方として必要な要素になりそうです。消費者側にとっても企業を選ぶ物差しの一つになっていくかもしれませんね。
いかがでしたか?環境問題は年々深刻となっています。SDGsを謳いつつも、大量消費・大量廃棄の傾向が大きく変わっているとは言えない状況が続いています。付加価値を与え、持続可能である事を前提としたアップサイクルの取り組みには大いに注目したいところです。関西の百貨店においてもアップサイクル製品のポップアップショップが開催されたりと、意識は高まっています。企業の取り組みは勿論大切ですが、消費者側も環境負荷の低い商品を選ぶ等の意識を持ってサステナブルな社会を実現していきたいですね。それでは、また。
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