必要な矛先って?架空OL日記から見る日常に潜む闇

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必要な矛先って?架空OL日記から見る日常に潜む闇

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published : 2020/10/11

話題の映画「劇場版 架空OL日記」をご紹介します。


必要な矛先って?架空OL日記から見る日常に潜む闇

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こんにちは、work and placeです。今日はHuluで視聴した「劇場版 架空OL日記」をご紹介したいと思います。

お笑い芸人でありながら、ドラマ等の脚本も手掛けているバカリズム氏の話題作です。バカリズム氏がOLになりきって架空の日常を綴った「架空升野日記」というブログが基になっています。そのブログが書籍化された後、2017年には原作・脚本・主演全て本人でドラマ化され、向田邦子賞を受賞。そして2020年に映画化し劇場公開となりました。

タイトル通り働く女性達が主人公ではありますが、決してビジネスとしての学びや含蓄としてではなく、完全に娯楽作品としてのご紹介です。40代男性(バカリズム氏)がさしたる女装をするわけでもなく、女優陣に混じり20代のOLに扮しています。一見シュール過ぎる設定にもかかわらず、彼はびっくりする程周りに溶け込んでいました。そこにかえって狂気を感じたりもしますが、不思議と違和感を覚える事なく楽しんで視聴しました。

銀行勤めのOL達の小さなコミュニティーを中心とした普通の日常が淡々と描かれています。大きな事件が起きるわけでもなく(小さな事件は多発しますが)1つ1つのエピソードは決して大袈裟なものではありません。

  • 月曜日はみんないつもより性格が悪い
  • 女の朝はやることが多い
  • 更衣室のハロゲンヒーターの故障は私たちにとって命にかかわる問題

これは見方にもよるとは思いますが、「女性=こういうもの」みたいな単純なあるあるではないように感じました。過度にデフォルメしたり誇張したり、雑な一般化はされていません。それでいて「こういう人っているよね」とか「こういう状況ってあるよね!」と大きく頷いてしまうところもチラホラ。

ネタバレは避けますが、印象的だった台詞を一つ挙げておきます。

「今のうちらに必要なのは真実じゃなくて矛先だからさ。」

これは女性に限らず、時に人が抱えてしまう闇の一つかもしれません。正直言って私自身も身に覚えが無くも無いような・・・・?それにしてもバカリズム氏の女性だけでなく人間に対する観察眼の鋭さと描写力の高さは驚異的だと思います。さてその「矛先」は一体何に向かっているのでしょうか?気になる方は是非作品をご覧ください。


ここで映画.comのレビューを抜粋してみます。

バカリズムが普段のバカリズムのまま、役として女性をシンプルに演じている。最初はシュールに感じるだろう、しかし、途中からなんの違和感もなくなる。「こういう人普通にいるな」と思うようになってくる。次第に女性とか男性とか、そういう分類ってなんだったっけ?と思えてくる。

OLのあるある集。OL必見、男子にはわからないであろう、細かすぎるいちいちの出来事がよく男子のバカリズムさんに発想出来たのか不思議というかさすが。

最初は、男性芸人が「女性あるある」を蔑みを含めつつ面白おかしくやっている感じのやつか...と倦厭していたのだが、読み始めるとそんな浅いものではなかった。もう、心の底から成り切ろうとしていて、嘲り特有のテンションの高さもなく、非常にストイックな態度でOLに臨んでいる。笑


ものすごく面白い作品ですが、爆笑してしまうような笑いではなく、どちらかと言うとニヤニヤしながら楽しむといった感じでしょうか。女性の扱いに手こずっていらっしゃる男性陣には、ある意味参考になるかもしれません。「うわ!こんな風に思ってたの?!」と驚く部分もあるかもしれませんね。女性も色々なタイプがいますし、この作品に出てくる女性陣もそれぞれ違った個性で描かれています。それでも女性特有の視点を理解するには格好の作品の一つかもしれません。

視聴している時には気づきませんでしたが、このブログを書いていたら、五百田達成さん著の「察しない男 説明しない女」をふと思い出しました。こちらも中々面白い本ですので、またの機会にご紹介できたらと思います。それでは、また!

架空OL日記公式サイト(https://www.kaku-ol.jp/

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