酷暑対策の新しい涼スポット!クールベンチとは?

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酷暑対策の新しい涼スポット!クールベンチとは?

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published : 2022/8/7

ここ数年続いてる酷暑対策に神戸市が動きました。クールスポットを設置する事業が進む中、神戸高専の学生達によるアイデアが官民一体で実用化の運びとなっています。ペルチェ素子もたらす画期的な涼スポットをご紹介します。


酷暑対策の新しい涼スポット!クールベンチとは?

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こんにちは、work and placeです。この夏も猛暑日が続いていますね。ここ数年の夏の暑さは一時的な異常気象とは片付けられない程で、全国的に異常高温が多く発生しています。また、コロナ禍における予防対策でのマスク着用が熱中症多発に繫がる可能性もあり、それが医療機関への過剰な負荷となる事を防ぐ為の対策が求められています。

work and placeの地元である芦屋市のお隣りの神戸市において「屋外公共空間における異常高温対策」が強化されています。市内にいくつかのクールスポットを設置し、散水をしたり、ミストを噴霧したりしています。実際に三ノ宮駅前のサンキタ広場のミストを体験しましたが、近くで涼しいのは勿論なのですが、少し遠目からでも目視できるサイズのミストですので、見た目にも大変涼し気でした。他にも道路での散水等、少しでも異常高温を緩和できる取り組みを行っているそうです。

その取り組みの一つで特筆すべきものがクールベンチの設置です。皆様はクールベンチをご存知ですか?今年の7月22日にJR三ノ宮駅前の広場に設置され、大きく報道されていました。クールベンチはワインクーラー等にも使用されているペルチェ素子という吸熱効果のある半導体を利用したものだそうです。

側面にあるボタンを押すと5分間にわたり座面がひんやりします。ペルチェ素子は半導体の一種で、直接電流を流すと吸熱や放熱をする熱電素子です。その熱の移動を応用する事で各種の冷却装置に使用されていますが、クールベンチにおいても同様で、熱が座面から裏側の金属に移動することで涼しく感じる仕組みになっています。電流を逆にする事で、座面が暖かいベンチとしても利用可能だという事です。

これは約2年前から神戸市立工業高等専門学校(神戸高専)の電気工学科の学生達が考案し、開発したものです。インバータやコンバータ等の電力変換装置の高効率化やそれらが生じる高調波等の時間周波数解析等を研究しているチームで、様々な共同研究も行っているそうです。正直書いていても何の事やらわからない専門的な分野ですが、その共同研究の一つがクールベンチの開発だったそうです。

開発したクールベンチを実際に設置し、神戸市と実証実験も行っていた中で、その取り組みを知った広島の中電工等いくつかの企業が共同開発を申し出たんだそうです。その商品化にあたり、周囲に電源がない場所にも設置可能にできる様、太陽光発電の利用を研究しています。小型化や生産コストの削減も図り、数年後の販売を目指しているとの事でした。

学生達の画期的なアイデアと神戸市の協力、企業のコラボによる商品化となりました。ここ数年の酷暑を考えると、大きな期待が持てるニュースですね。このクールベンチは神戸市立王子動物園にも設置されていて、大変好評なんだとか。確かに夏場の動物園散策は相当暑いでしょうから、クールベンチで涼をとれるのは来場者にとっても嬉しい事ですよね。

このまま研究が進む事で太陽光発電の併用が可能になったり、設置可能場所が増える事を期待したいですね。素人考えですが、夏場はクールベンチとして活用し、冬場は電流を逆にする事でウォームベンチに転用できれば最高だと思います。

何より、若い学生達の研究の中から画期的なアイデアが生まれた事、そしてそれが自治体の協力もあり実用化される事。更に企業の力を加え、官民一体となる事で社会的にも意義のある商品化に繋がった事は本当に素晴らしい事ですし、夢がありますね。学生時代にそういった成功体験をする事は他の学生達にとっても大いに刺激になるでしょうし、分野を問わずこういった事業が今後も増えていくかもしれませんね。

学生・自治体・企業がそれぞれの垣根を越えて、知恵を出し合い工夫を重ねる事で様々な問題を解決できる未来に大いに期待をしたいです。お近くの方は是非、三ノ宮駅や王子公園に設置されたクールベンチを利用して、ペルチェ素子がもたらす涼感覚を体感してみてはいかがでしょうか?それでは、また。

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