瞑想を可視化?心と脳を整える凸版印刷のソリューション

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瞑想を可視化?心と脳を整える凸版印刷のソリューション

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published : 2021/4/3

次々と新しい分野に参入している凸版印刷。昨年提供を開始したパフォーマンス向上ソリューションをご紹介します。マインドフルネスとセンシングの連携とは?


瞑想を可視化?心と脳を整える凸版印刷のソリューション

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こんにちは、work and placeです。次々と新しい分野に参入している印象の凸版印刷が、昨年提供を開始した大変面白いソリューションがあります。今日はそのご紹介です。

凸版印刷が提供開始したのは瞑想ポッドセンシング(画像や温度、磁気、振動等様々な情報をセンサーによって計測・数値化する技術)による効果測定を連携させたパフォーマンス向上ソリューションです。この説明だと何のこっちゃ良くわからないと思うのですが、ものすごくざっくり言うと、流行りのマインドフルネスを瞑想効果の可視化と共に実現し、人の生産性に関わるパフォーマンスを向上させようというものです。相当ざっくりしていますが。

マインドフルネス=雑念にとらわれず身体の五感に意識を集中させ「今、ここ」を価値判断せず受け入れている状態で、瞑想はマインドフルネスの状態を作る方法の一つです。


マインドフルネス実現の一つの方法である瞑想(メディテーション)は個人のストレス解消やリラックス効果などのイメージが強いと思います。しかし、それだけではなくビジネスシーンにおいて、生産性向上などの効果が期待されています。実際、海外の多くの企業においてマインドフルネスの考え方が導入されていますし、既に集中力向上やうつ病防止などの効果が科学的に証明されています。集中力の向上やメンタルの改善、仕事に限らず物事に対して前向きな心理状態に促すと言われています。著名なビジネスリーダー達が積極的に瞑想を取り入れている事もあり、新入社員の教育の一環とする企業もあるそうです。

本来、瞑想自体に道具は必要ないのですが、効果的な瞑想を実現する為に瞑想ポッドが生まれました。今回凸版印刷が連携する瞑想ポッド「OpenSeed」はラッセル・マインドフルネス・エンターテイメント・ジャパンが提供するアメリカ発のものです。

独特の印象的なデザインは、自然環境や日本のお寺の造りを参考に開発されたものだそうです。そう言われてみるとお寺感もあるような気がしますが、私はハリウッドのSF映画を連想してしまいました。ネーミング通り、種にも見えますね。

OpenSeedの主な機能はこちらです。

  • 照明・音響・気流等の7つの機能で瞑想の効果を促進します。
  • 疲労度の低下やリラックス状態を導きます。
  • 集中・リラックス・バランスなど目的に合わせてメニューを選択可能。最適なガイダンスと音響や照明が連動します。

この「OpenSeed」と凸版印刷が持っている高度なセンシングソリューションを連携させる事によって、パフォーマンス向上ソリューションが実現します。(心拍や脳波などセンシングによる効果測定を連携します。)瞑想ポッド内で瞑想し、心拍などを測定することで効果の定量化・可視化を実現するという、かなり画期的なものです。そもそも精神や脳の世界での瞑想の効果が可視化されるというのはものすごい事ですよね。

センシングで測定する内容は心拍数や脳波などニーズに応じて変更可能ですし、測定値はタブレット端末ですぐに確認出来ます。「瞑想」と言うとスピリチュアルなイメージを持って敬遠してしまう人も、効果を定量化・可視化される事によって試してみようという気になるかもしれませんね。

瞑想ポッドの価格は約430万円(設置費用等は除く)、センシング費用は150万円からだそうです。個人が気軽に設置を検討できる代物ではありませんが、企業や商業施設での導入はアリかもしれません。瞑想ポッドがなくとも、いつでもどこでもすぐ瞑想できますというマインドフルネス上級者には不要な代物かもしれませんが、そういった方であっても効果を可視化できる事には興味があるんじゃないでしょうか。

提供開始に先立って行われた実証実験において、被験者のリラックス効果や疲労度の減少などが確認され、有効性が実証されたそうです。企業側が従業員のパフォーマンスを向上させる目的だけではなく、従業員側もストレスを軽減できたり、リラックスできたりと双方にメリットがあります。メンタルヘルス対策にもなり、これもまた働き方改革の一環になっていくのかもしれません。


凸版印刷の高度なセンシング技術が、「マインドフルネス」というジャンルに結び付くのは非常に意外な気がしました。しかし凸版印刷は3Dイメージセンシング分野にも参入しています。3Dセンシングは3次元計測やデプスセンシングとも言われ、通常の2D画像のみでなく深度(距離情報)までを画像データとして取得する技術です。ロボット・自動車の自動制御装置や介護における見守りシステムでも注目を集めている技術で、今後更なる市場拡大が予想されます。その視点から考えると、ビジネスにおいても注目度の高い「マインドフルネス」と「センシング技術」が結びつく事は自然な事のように思えてきました。

今回ご紹介したのは凸版印刷の先進的でユニークなサービスでした。脳を活性化し、ストレスを溜まりにくくしたり、仕事のパフォーマンスを上げる「マインドフルネス」を基軸にしたサービスは、まだまだ広がっていきそうです。先月にはパナソニックがマインドフルネスアクティビティと宿泊を組み合わせ、宿泊事業者向けに開発した新しい宿泊体験ソリューションの実証実験が始まりました。「マインドフルネス」に関わる事業からしばらく目が離せそうにありません。それでは、また。

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