「焼きペヤングメーカー」に見る一点突破主義とは?

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「焼きペヤングメーカー」に見る一点突破主義とは?

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published : 2021/4/26

東大阪市の新興家電メーカー「ライソン」が手掛ける「焼きペヤングメーカー」。ただ面白いだけではない、一点突破主義のスタイルをご紹介します。


「焼きペヤングメーカー」に見る一点突破主義とは?

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こんにちは、work and placeです。

皆さま「焼きペヤングメーカー」をご存知ですか?東大阪市の新興家電メーカー「ライソン」が開発・発売したもので、発売時一躍話題となった面白い製品です。その名の通り、「ペヤングソース焼きそば」を焼くためだけに生まれた製品で、ペヤングの発売元「まるか食品」の協力を得て開発したものです。「そんな突飛なものが売れるわけない。」という周囲の声に反して、発売からわずか4ヶ月程で2万台以上売れましたし、今でも大人気なんだそうです(税別価格2980円

とにかく「ペヤング」だけに特化している為、「焼きペヤングメーカー」で他社のカップ焼きそばを作ってもあまり美味しくはないんだそうです!(実験の結果ソースの濃さの違い等が原因とみられるとの事。)

当初「焼きペヤングメーカー」の企画をあちこちの販売店に持っていっても反応が芳しくなく、結局クラウドファンディングを活用して販売にまで漕ぎつけた製品です。ペヤングは熱狂的で根強いファンが非常に多かった為、当初の予定額の10倍以上の資金が集まったんだそうです。

「焼きペヤングメーカー」にはホットケーキが焼ける等の付加機能は一切ありません。鉄板部分だけ外して洗える等の便利さも備えていません。唯々、「ペヤングソース焼きそば」を美味しく作れる事のみに特化した唯一無二の製品なのです。


「焼きペヤングメーカー」に限らず、ライソンはとにかく一点突破主義を貫いています。家電業界では低価格競争が激化し、多機能化や付加機能の追求を続けるメーカーが多い中、完全にその真逆を行っています。そして大手と戦わないスタイルを確立しています。

ライソンとして家電事業が独立したのは2018年と、まだまだ新しい会社です。クラウドファンディングをうまく活用し、最初からニーズをユーザーに考えてもらった方が合理的であると豪語する、突き抜け加減が面白いなと思います。

そして東大阪と言えばものづくりの町のイメージですが、実はライソンは自社工場を持たないファブレス企業です。生産設備を持たず、製品製造を外部の会社へ委託するスタイルです。ライソンがファブレス企業であった事、正直これは意外でした。初期投資が少なくても済むビジネスモデルではありますが、決して誰しもが成功できるスタイルではないと思います。

「焼きペヤングメーカー」だけではなく、直径約10㎝のたこ焼きが作れる「ギガたこやき器」や、素早く一枚だけトースターが焼ける「秒速トースター」等、ものすごく狭いストライクゾーンを設定し、そこめがけてボールを投げ込んでいます。家電に限らずあらゆるものの選択肢が多過ぎる世の中において、突き抜けた一点突破主義は成功の秘訣の一つなのかもしれませんね。

コロナ禍における巣ごもり需要ともマッチして業績を伸ばしているライソン。次なる一点突破製品開発も楽しみにしたいと思います。それでは、また。

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