エンタメから医療分野まで!ドローンの活躍と規制緩和への期待値について

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エンタメから医療分野まで!ドローンの活躍と規制緩和への期待値について

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published : 2021/8/18

東京五輪開会式でのパフォーマンスが記憶に新しいドローン・ショー。ドローンの進化は目覚ましく、エンタメは勿論ですが地域医療への新しい貢献など活用の幅は広がっています。最新のドローン情報をご紹介します。


エンタメから医療分野まで!ドローンの活躍と規制緩和への期待値について

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こんにちは、work and placeです。

先日閉幕した東京オリンピック2020の開会式において、1824機ものドローンが東京の夜空を舞うパフォーマンスが話題になりましたね。ドローンを使用したショー自体は、正直それほど珍しいものではありません。それでも、世界中のハッカーがサイバー攻撃を仕掛けるとも言われているオリンピックの開会式で、しかも天候や風等の不確定要素が多い中、無事成功させた事が素晴らしいと思います。インテル社のドローン技術「Shooting Star」を利用したものですが、たった1台のパソコンから1824機ものドローンを制御しているそうです。CPUメーカーの印象が強いインテルですが、実はドローン事業においても世界をリードしています。

オリンピックスタジアム(国立競技場)には屋根が無いので当然ながら自然条件に左右される部分も大きいと思うのですが、今回使用された最新のドローンは何と秒速11mの風にも耐えられる仕様なんだそうです。秒速11mの風というと傘がさしにくくなり、樹木が大きく揺れるレベルです。それに耐えられる仕様というだけでも、かなりの高性能である事がうかがえますね。そして、ドローン本体の性能も素晴らしいですが、飛行ソフトウェアの高度なプログラムも見逃せません。ショーをコントロールする飛行ソフトウェアはドローン同士だけではなく、空中で他の障害物と衝突しないように軌道を自動で作成するそうです。

「ドローン技術の向上がエンターテイメントの分野にも波及した。」と言うよりは、「エンターテイメントを通じて技術力の高さを証明した。」と言う方がしっくりくる気がします。実際、インテルのある担当者は以前に「エンターテイメントはテクノロジーを最も分かりやすくアピールできる。」と発言しています。


さて、最先端のドローン技術について上述しましたが、ドローンと一口に言っても種類や大きさは様々です。個人で気軽に使用できるようなものも沢山あります。比較的安価な1000円程度のトイドローンもあれば、500万円以上する産業用ドローンまで幅広い展開となっています。

ドローンはどんなに小さくても飛行物ですので、家庭用ドローンであっても航空法、小型無人機等飛行禁止法や道路交通法等が関わってきます。200g未満のものは無人航空機の適用除外となりますが、それでも国の重要施設の周辺地域の上空や、都市公園法・各地の条例などに抵触する可能性がありますので、個人の趣味の範囲であっても法規制を確認する必要があります。許認可が必要なものも当然ありますので購入時にきちんと調べておきましょう。


ドローン自体の機能もどんどん向上しています。撮影目的や娯楽的要素も強かったドローンですが、様々な分野において活用されつつあります。2022年には航空法の改正により、有人エリアにおける目視外飛行の解禁が見込まれています。それを見越した形で、ドローンによる新しい事業の実証実験等も数多く行われています。

その中の一つが、海外では既に実用化されつつある医療分野での活用です。日本では2020年にANAホールディングス、長崎県五島市、長崎大学、NTTドコモ等が協力し、ドローン輸送の実証実験を行行いました。アバターロボットとドローンを併用する形で、遠隔診療・遠隔服薬指導、そして処方薬をドローンで配送という一連を成功させたそうです。

成程、飛行機もドローンも規模や仕組みは違えど空を飛びます。餅は餅屋ではないですが、空のプロといえる飛行機業界がドローン実証実験に参加するのは自然な事なのかもしれません。安定した飛行技術が大前提である以上、空のプロが活躍するのは必然と言えるかもしれませんね。

ANAホールディングスは、2022年に医薬品・日用品を離島へドローン配送する事業の実用化を目指しています。オンライン診療後に処方された医薬品をドローンで輸送するスタイルが確立すれば、離島等の僻地医療の希望になりますね。ドローン輸配送の実用化についてはコストとルールが重要な要素となりそうです。来年以降ドローン飛行の規制緩和が一段と進むと言われていますし、出来る事が少しづつ増えていくかもしれません。

更に、ドローン活用においてある意味弱点であった問題の一つに解決の糸口が見えてきました。それはバッテリーの持続時間の問題です。それはそのままドローンの飛行可能時間に直結しています。そこでドローン本体にはバッテリーを搭載せず、地上からワイヤレスで給電するという技術に注目が集まっています。

つい先日のニュースですが、筑波大学の研究チームが空中でホバリングしているドローンへのワイヤレス給電実験に世界で初めて成功しました!この技術が実用化されれば、飛行時間や飛行距離の問題がかなり改善されますね。

規制緩和のタイミングと共に、ドローンのワイヤレス給電実用化となれば、ドローン活用の可能性が更に広がる事は間違いありません。大いに期待したいところです。それでは、また。

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