放置林を活性化!端材利用でヒット商品誕生。

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放置林を活性化!端材利用でヒット商品誕生。

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published : 2021/9/6

近年豪雨災害や水害等で問題となっている放置林。官民それぞれの森を活かす取り組みが始まっています。中でも爆発的人気となっているヒノキの端材を利用した小櫃(COBITSU)をご紹介します。


放置林を活性化!端材利用でヒット商品誕生。

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こんにちは、work and placeです。

漸く残暑の厳しさが少し薄らいできたかな?と感じる9月初旬です。先日、あるお店の前を通ったところ、ハロウィン用のアイテムがずらりと並んでいて驚きました!ハロウィンが過ぎればクリスマス・お正月と一年があっと言う間ですね。昨年来コロナ禍によって行動に制限が生まれ、自宅で過ごす時間が増えました。「おうち時間をどれだけ楽しめるか?」と言う事に意識が向いている人は多いでしょう。家電やインテリア、食器に玩具等ジャンルを問わず、ステイホームを快適にできるグッズが引き続き人気です。

その中の一つに木材を使用したアイテムがあります。木特有の温かみを感じられる事やSDGsの観点等も勿論影響していますが、実はもう一つ理由があると言われています。

実は今、日本全国で放置林が問題になっている事をご存知ですか?日本全国にある森林の内、約4割は人工林と言われています。その人工林が手入をされずに放置林となるケースが非常に多く、大きな問題となっています。

本来の人工林は適切な手入れを施す事により、土砂災害を防いだり、山や人を守ってくれる存在でした。ところが手入をされない放置林では根が土壌を侵食してしまい、土砂崩れの原因になる事もあり大変危険です。昨今の豪雨災害の多発を踏まえても、このまま放置できない問題です。林野庁は「緑の雇用」など林業従事者を増やしたり、「スマート林業」に取り組むなど対策を講じてはいますが、まだまだ充分とは言えないようです。 


そんな中、民間からも森の活性化を狙った取り組みが増えています。放置林に適切な手入を施す一環として、その木々を必要に応じて伐採しています。そしてその木材を使って色々な商品が製作されていて人気となっています。伐採された木のほとんどは建築材や建具材になりますが、端材も捨てる事なく使用される事が増えているようです。

中でも話題になっているヒノキ製で桝形の小櫃(COBITSU)をご紹介します。岐阜県大垣市にある大橋量器がクラウドファンディングに挑戦したものです。大橋量器は1950年創業の木枡専門のメーカーです。目標金額20万円のところ、応援購入総額は何と1000万円を超えたそうです!専門分野である枡を小櫃に仕立てたもので、国産ヒノキの端材を無駄なく使用しています。

見た目は木の温もりを感じさせてくれるレトロな印象ですが、実用性も非常に高いです。こちらの商品は電子レンジでの加熱が可能です。COBITSUに炊き立ての熱いご飯を入れすぐに冷凍し、食べるタイミングに電子レンジで加熱します。そうすると、まるで炊き立ての様なふっくらモチモチのご飯になるそうです。ヒノキの特性である調湿性と小櫃ならではの蒸し器効果で、ご飯の再加熱に最適との事です。

ほのかなヒノキの香りで、レンジでチンしただけの冷凍ご飯を贅沢な気分で美味しく味わえますね!現在クラウドファンディングは終了していますが、今月から一般販売もスタートしています。既に注文が殺到しているそうです。


木の端材だけではなく、廃材を利用した商品もとても人気です。廃材を利用した猫のおもちゃが良く売れているそうです。また、とある神社では雷で倒れた御神木を廃棄せず、参拝者向けのベンチを製作し好評だと聞きます。知育玩具でも木材を使ったものが大人気だとか。大量生産大量消費の時代は過ぎました。使い捨てではなく、長く大切に使えるものが求められています。実用性・機能性は勿論ですが、ストーリー性のあるものが人気だなと感じました。

森を活性化する事は、前述した放置林問題の解決に繋がります。そして手入れの為に伐採した木材を活用した商品開発・販売を行う事は、経済の活性にも繋がっています。伝統文化の継承にも一役買っていますし、今後も注目しておきたい分野ですね。それでは、また。

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