無人化を実現するDXとロボットが活躍する未来への展望

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無人化を実現するDXとロボットが活躍する未来への展望

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published : 2022/2/20

昔ながらの無人販売所だけではなく、DX推進によってあらゆる分野の無人化が進んでいます。いくつかの事例と未来への展望についてご紹介します。


無人化を実現するDXとロボットが活躍する未来への展望

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こんにちは、work and placeです。以前自動販売機をテーマにした際に少し触れた、無人販売所の存在やそこに関わるテクノロジーについてお話したいと思います。

無人販売所と言うと、地方で農作物を売っているアナログな光景を思い浮かべる人が多いかもしれません。ですが、令和の無人販売所は多種多様です。業態自体もどんどん増えて来ています。メジャーな所で言うと、全国的に特に増えているのは餃子の無人販売所です。work and placeの地元である芦屋市にも、私が知る限り2箇所の餃子無人販売所が存在します。

餃子無人販売所が爆発的に増えたのは、コロナ禍の影響が大きいとされています。長らくの自粛生活で外食が難しくなり、焼くだけで簡単に調理できる餃子の人気に火が付いた事もありますが、何より飲食店サイドの事情が大きいようです。時短営業や営業自粛によって、立ち行かなくなった飲食店がテイクアウト需要への対応にシフトする中で、無人販売所を始めるケースが増えたんだそうです。先日ご紹介した色々な自動販売機の仕組みに近いスタイルが多いです。


最近増えているものとして餃子無人販売所をご紹介しましたが、もっと近未来的なスタイルも増えています。都市部を中心として少しずつ増えているのが無人コンビニです。定期的な商品補充の為にバックヤードに人はいるそうなので厳密に言うと無人ではありませんが、少なくとも店内でレジ業務をするスタッフはゼロです。コロナ禍における非接触販売への安心感や密を避けたい消費者側のニーズだけではなく、店側の人手不足解消や人件費削減の側面も大きいようです。

こうした近未来的な無人コンビニの存在は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によって実現した部分が大きいです。AI搭載カメラであったり、スマートフォンの機能を駆使する事で、業務の効率化を図っています。当然ながら設備投資は必要になるものの、一旦導入してしまえば低いコストでの運営が可能となります。

更なる進化系として、非接触の空中ディスプレイをPOSレジに採用した実証実験が始まっています。実証実験に参加した人の声によると、空中ディスプレイの感度が非常に良く驚いたそうです。SF映画で観た近未来の光景はすぐそこまで来ているようですね。

また無人とまでは行かずとも、コンビニ以外でもセルフレジの導入事例が増加しています。スーパーや飲食店、大手アパレルショップでも見かけるようになりました。セルフレジ導入によって省略できるのは、単に会計処理だけではありません。例えばアパレルショップでは、ハンガーを外す・商品をたたむ・袋に入れる・外したハンガーを専用のラックにかける、とここまでを消費者が行うケースがあります。セルフレジに戸惑う人もいますので、現在は有人レジも廃止していません。セルフレジの使用方法を説明をするスタッフも配置していますが、いずれは完全にセルフレジ化するかもしれませんね。

今後もDX推進によって無人店舗はどんどん増えていきそうです。前述した人手不足の解消や人件費削減の目的以外にも色々な可能性を秘めています。テクノロジーの進化により、小売業以外の分野でも新しいスタイルがどんどん増えています。

例えば多言語対応可能なロボットがチェックイン・チェックアウトを行う『変なホテル』をご存知ですか?顔認証によって鍵を持ち運ばなくても客室を出入りできる等、先進技術を導入しています。ロボット導入により業務を効率化できるだけではなく、宿泊者の快適性を担保した上でエンターテイメントの側面も持ち合わせています。特に子供さんは大喜びするそうです。

また、調理から配膳に至るまでをロボットが行うロボット食堂も既に実用化されています。感染リスクを低減させる事もあり、社員食堂に導入している会社もあります。

更に社会的にも大きな期待が寄せられているのは介護の分野です。高齢化社会であるにも関わらず、日本では介護現場において慢性的な人手不足が続いています。介護者の負担を軽減する為にも介護ロボットが必要不可欠な時代になっています。厚生労働省が明示している介護ロボットの定義は『センサー等で情報を感知し、AIや制御系の機能で判断し、実際に動作を行う』というものです。

そこまでの機能を保持するロボットは多少ハードルが高くなりますが、そこまでのレベルではなくても見守りセンサーであるとか、物理的な介助ではなくても心を癒やすセラピーロボット等の存在もあります。介護現場での導入にはまだまだ課題が多そうですが、テクノロジーの進化を大いに期待したい分野ですね。


無人販売店舗やセルフレジがどんどん増え、AIを搭載したロボットの活用が日常になってくると『人間が仕事を奪われてしまう!』という考えを持つ人もいるでしょう。しかし、必ずしもそうとは言えません。AIが出来る事はAIに任せる事によって、人間は人間にしかできない事に専念できるとも言えます。上手に分業する事で、生産性が上がるのであればこんな素晴らしい事はないと思います。

また、無人販売は過疎地における買い物難民の助けになる可能性を指摘する声もあります。物流の問題はありますが、過疎地の高齢化問題を解決する為の大きなヒントになるかもしれません。キャッシュレス決済ですら、まだまだ浸透しきっていない日本社会ですが、だからこそ工夫次第で社会が大きく変わる余地が大きいように思います。少なくとも、無人のお店で手ぶらで買い物が可能になる未来はすぐそこに来ています。引き続き技術の進化を見守りたいと思います。それでは、また。

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